新世界 / 鏡の国のアリス

☆Shinsekai / Alice Through The Looking Glass (Fragile Online FOCD-0014) '06
 "1000 Days Before Part I"で強烈なインパクトを放った、新世界の待望の2nd「鏡の国のアリス」。前作を遙かに凌ぐ幅広さで、今の時点でやりたい物は全て試したといった怖いモノ知らずのコピーを超えたパワーを感じる傑作と断言したい。
 一方、前作のあのシリアス気味B級サウンドを気に入っていた人は拒否反応が起こることが予想される。何度もきいていくと新しい世界が開けてくると確信する内容なので、ここはじっと我慢してリピートしてみよう。
 "Jabberwocky"の童謡/Sabbath/イルバレが混沌になったサウンドはHard Rocker必聴。
 「内核の波」への回答として?日本人唯一のヨーデルマスター川上氏を引っ張り込んでの"I Love FOCUS"。ユーロ・マニア・オヤジ達にはどう印象を与えるのか興味深い。また後半アヴァンギャルトに展開していく様が素晴らしい。
 Alan Holdsworth風フュージョンの"Five Q"も注目だ。ちょっとファニーな感じのアレンジも良いね。ファニーと言えばKensoへの回答?「帰ってきたプログレ」(笑)。これも楽しいね。内核の波の鈴木氏とKBBの壷井氏の演奏にも注目。
 "Hamatai"は、まぁ、ハマタイです。むさいシャウトが良いね。(笑)
 "夢の終わりに"は今作最もJap's Prog.している曲。Pageantファンは必聴?
 個人的に今のところイチオシはやはりCrimson的な破壊力を持った"Die Welt als Wille und Vorstellung Part1, Part2"だろうね。後藤マスヒロ氏の圧倒的なDs.、内核の波の"Rockだゼ"小林氏のベースのうねり、暴れる/陶酔するKey.。もう無条件でかっこいいのだ。下田氏は時々内核の波へゲスト参加してLiveやってくれないかな?
 メロトロンによる「君が代」で終わるのが良かったと思うが、最後に"Elegant Talk"と題された(笑)レコーディング時の雑談をBonusで収録。この部分が内輪ウケと見られる点で正直マイナスかもしれない。World Disqueの先着順特典CD内に収録で良かったのでは?
 FragileOnlineによるとなんと豪華なゲストが祟ったためか?このCDを制作したことにより「経営危機 -Close to the Edge-」に陥っているらしい。ここを読んでいる奇特な方は間違いなくお薦めなので買ってあげよう。(^^; でも、AyreonのArjen Lucassenのように、もう少し予算を考慮しても良かったのでは...?しかし、まだ若いからなんとかなると信じたい!