知られざる”世界の秘境”の音を聴くat 武蔵野市民文化会館2008.7.19

 ちょっとレポートが遅くなったが”世界の秘境”の音、体験して参りました。
 三鷹武蔵野市民文化会館は約2年前Madredeusのコンサート以来。その時は大ホールだったけれども。
 世界の秘境の音なので、まず滅多に生で接することのない未体験ゾーン。本日の公演はサハラ砂漠に点在して済むトゥアレグ族の伝統音楽を前半に、後半はアマゾンのカラジャ族の伝承儀礼という2部構成。
 Tuareg族の伝統音楽のCDが2枚あったが各々¥3,200の高価だったので諦めた。(^^;

 <第1部:サハラ・トゥアレグ族の伝統音楽 >
 Tuareg族は、アフリカ大陸サハラ砂漠で生活している遊牧民イスラム世界では女性が顔を衣装で隠しているが、Tuareg族は逆に男性が隠していた。演奏の方も女性が引っ張っていく感じで完全女系上位を見せつける事に。(^^;
 ワラワラとステージ上には左右男性陣、中央に女性陣と沢山いたので縦笛で演奏が始まったときには誰が演奏しているのか分からず、いきなりサンプリングかよ!?と思ったほど。(^^;
 楽器は身の回りの生活必需品や灯油缶などを用いたりして非常にユニーク。一部西洋の楽器エレキ・ギターなど融合をはかっているようだが、完全にブルーズ&サイケの形容しがたい独特なフレーズ。扱いになれていないのか時々演奏中にハウリングさせたりしているし。(^^; 砂漠に点在していた人たちを一人一人訪ね歩いて説得して集めたので、まとまりのなさが逆に新鮮。次やる曲とか特に決めていなかったのでは?(^^;
 中央に陣取る老婆が一番のボス?(^^; らしく口元を殆ど動かすことなく呪術的な呟きのような歌を歌う。そして何よりもインパクトがあったのは合いの手で周りの女性陣が甲高い鳥の鳴き声(警報器?)のような「リュルルル・・・・・」の発声。会場の後ろまで良く届き響き渡る。舌を突き出して左右に動かしながらの独特な仕草で何度も奇声のようなものを繰り返す。挨拶代わりの仕草のようにも見えた。元々客を相手に行う音楽ではないので特に山場というものはなく淡々と進む。そしてステージ慣れしていないので中途半端に終了。やはり大自然の中で聴くといいんだろうな。


 <第2部:アマゾン・カラジャ族の伝承儀礼
 トゥアレグ族の伝統音楽以上にこれは現地、いや、それは無理だから野外で見るべきステージ。人間って分からないもの/理解できないものに遭遇すると時として思わず笑ってしまう習性があるように思えるが、この真面目で神聖な儀礼の踊りなのに、すっかり自然界から見放されてしまいつつある私たち日本人にとっては何故か妙な仕草に映ってしまい、子供なんか何の疑問も思わず笑ってしまうんだな。ま、ある意味これは自然で正直な事だと思うけれど、真剣な彼らにとっては失礼なことのように思えた。向こうにしてみれば西洋音楽とか滑稽に聞こえるかも知れないのにね。
 このカラジャ族の伝承儀礼は本来6時間ぶっ続けてやったり、何ヶ月も続けるらしいが、それをピックアップして披露していた。自然への感謝、動物、植物、食べ物への感謝というか純粋な気持ちが表れているような踊りと歌であった。凄く「大人の強い男」をイメージさせる踊りと叫び。結構Magmaっぽかったと思う部分があったりして。(^^;
 慣れていない客の前、更にきれいなステージ上での披露故か、遠慮がちでステージ中央からずれたところでやっていたりで、ステージ用にアレンジするような事は全く考えていない。しかし、極一部の素の部分を垣間見られただけでも良かったと思う。しかし、実は彼らは世界各国を回っているらしく、伝統的な暮らしを守るため巡業している事が分かった。自分たちの素晴らしい伝統的生活を守るために真剣なのだ。彼らは地球の裏側、日本には5日かけてやって来たらしい。人間はお互い考え、習慣などは尊重しあって生きていくべきだと痛感。分かっちゃいるけど難しいんだよね。
 蛇足だが、カラジャ族の人たち、結構メタボっている人が多かった。(^^;